ウェットフードにはいいことがいっぱい

ウェットフード応援対談

ウェットフードならではの特徴や上手な使い方でお話が弾みました!

対談者プロフィール
広尾動物病院(東京都港区)院長
村中志朗先生(むらなか しろう)
昭和56年、日本獣医畜産大学獣医学科を卒業。臨床医として日々愛犬の診察にあたる傍ら、(社)東京都獣医師会会長、日本動物看護学会常任理事、帝京科学大学非常勤講師、また獣医外科専門誌「SURGEON」編集委員や多くの獣医学系雑誌において監修・執筆活動を行うなど、幅広く活躍しています。日本獣医学会、日本獣医臨床病理学会など所属学会も多数。
マース ジャパン リミテッド 学術部
川重結子(かわしげ ゆうこ)獣医師
マース ジャパン リミテッドの学術担当。ペット栄養学の世界的研究機関であるウォルサム研究所の日本地区担当であり、その豊富な研究成果を製品開発に活かし、日本の獣医学会とウォルサム研究所を繋ぐネットワークとしても活躍しています。

愛犬にはバランスのとれた栄養が必要!

川重先生

犬は「肉食」だと思っている飼い主さんが多いようですが、本当は私たちと同じ「雑食」です。つまりタンパク質だけでなく、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく摂らなくてはいけません。ドッグフードをつくる側としては、その点をとても大切に考えています。

村中先生

だからといって、人と同じものを食べさせればいいというわけではないんですよね。確かに必要な栄養素は近いけれど、その量には差があります。たとえば人の食事は塩分が多く犬には向きません。飼い主さんは嗜好性だけに走りがちですが、やはり食事は栄養のバランスがとれていないとダメ。僕は「総合栄養食」と呼ばれるドッグフードを利用するのがベストだと考えています。

川重先生

「総合栄養食」というのは、そのフードとお水があれば犬が健康に暮らしていける栄養を備えた食事です。フードには「一般食」と呼ばれる種類もあり、どちらもパッケージの裏面に表示があります。食事を購入する際には、使用する目的にあったフードを選ぶためにきちんとチェックしていただきたいですね。

誤解されやすいウェットフードの特徴

川重先生

ウェットフードは、トロリとした見た目から「カロリーが高い」「栄養が片寄っている」と思われがちですが、パッケージ裏の栄養成分を確認していただくとそうでないこともお分かりいただけると思います。

村中先生

ウェットフードは全体の約75%が水分。水にカロリーはありませんから、必然的に全体のカロリーはドライフードよりも低くなります。栄養バランス、ボリューム感を保ちながらカロリーは控えめ。ダイエットにも活用できます。

川重先生

食事の量を減らすのは簡単ですが、愛犬に「これでおわり?」という顔をされると、飼い主さんまで辛くなってダイエットが続かないこともあります。

村中先生

といって、飼い主さんの生活にもリズムがありますから、散歩や運動の量を増やすのも難しい。やはりダイエットは消費カロリーを上げるよりも摂取カロリーを抑えるほうが成功率は高いですよ。

ウェットフードで水分補給!

川重先生

ウェットフードは、愛犬の水分補給にも活用できますね。ほかに、水分が多いのでやわらかいという利点もあります。

村中先生

大型犬の場合、比較的水をよく飲みますね。ですが、室内飼いの小型犬はあまり水を飲まないケースが多い。乾きに対する欲求があまり強くないようです。飼い主さんが気づかずにいると、愛犬の身体はずっと水分不足の状態になってしまいます。

川重先生

水分の摂取が少ないとおしっこが濃くなって、尿石症などの病気が心配です。

村中先生

尿石症は小型犬に圧倒的に多く見られます。人は無理してでも水を飲んだりしますが、犬はそうはいかない。飼い主さんが気をつけてあげるしかないんです。病院でも、尿石症の犬の飼い主さんには、ウェットフードをすすめたり、ドライフードはふやかしてからあげるようにと指導します。

川重先生

ウェットフードは、愛犬の水分補給にも活用できますね。ほかに、水分が多いのでやわらかいという利点もあります。

村中先生

シニア期に入って歯が悪くなったり、咀嚼力が落ちてきた犬には、ウェットフードがとても食べやすいでしょうね。

ウェット&ドライ、フードを上手に使って

川重先生

もうひとつ、何かの原因で食欲が落ちている犬もウェットフードなら食べてくれることがあります。

村中先生

ウェットフードはおいしいんですよ。食べたときの食感や味覚で犬の食欲が促進されます。

川重先生

つくりたてをその場で密封するので、開封まで酸素や紫外線にも触れず、できたてに近い味が楽しめます。

村中先生

通常のドライフードだけでは全然食べなかった犬が、ウェットフードをトッピングすると勢いで全部食べてくれるということもあります。ドライフードに比べて種類も豊富で、いろいろな味が楽しめるのもウェットフードのよい点でしょう。

川重先生

ドライフードにも軽くて扱いやすく、開封後に長期保存できるなどの利点があります。両方の長所をいかしながら愛犬が食事を楽しめる工夫をしていただけるといいです。

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